厚生年金の加入逃れに対する本格的な強制指導が、厚労省と日本年金機構で行われそうです。
それもそのはずで、厚生年金の加入逃れをしている企業が約80万件もある事がわかったからです。
今回は、この厚生年金の加入逃れとは?罰則や実態と原因について調べてみました。
厚生年金の加入逃れとは?
厚生年金の加入逃れとは、厚生年金の加入に義務があるのもかかわらず、意図的に加入しない事。
もともと企業は、厚生年金、社会保険、雇用保険に加入することが義務付けられています。
厚生年金に加入している会社(適用事業所)に常時雇用される70歳未満の人は、国籍や性別、年金受給の有無にかかわらず、厚生年金の被保険者となる。
また、株式会社でなくても、従業員が常時5人以上いる個人の事業所は、農林漁業やサービス業などの場合を除いて、厚生年金の適用事業所となる。
厚生年金保険料は雇い主(会社)と従業員が半分づつを負担して支払う仕組みになっていますが、会社側が経営の苦しい余裕のない状態、業績は悪くないけど高い保険料を払いたくないとして厚生年金の加入逃れをしているケースがあります。
従業員としては、将来自分が厚生年金をもらえなくなりますから損害を被るわけですが、今回厚生年金逃れによって被害を被る(年金がもらえない)人は百万人にのぼる可能性があるそうです。
まれに従業員の方から「年金なんてアテにならない。だから給料天引きしないでほしい」というケースもあるらしいですよ。
厚生年金ってけっこう高いですからね。
問答無用で強制天引きされてますから・・・
こんな会社側の経営事情と従業員側の年金不信が、厚生年金の加入逃れの原因のように思います。
お金を払いたくない両者の思惑が合致しての双方合意のもとでのケースもあるというから恐ろしいです。
厚生年金の加入逃れの罰則と今後
厚生年金の加入逃れには、罰則があります。
「6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
ただし、今までは実際に適用される例はほぼなかったようで、実質的に罰則はないに等しかったそうです。
今までは、調査そのものもあまりなかったようですから、国側も悪かったわけですな・・・放置していたワケですから・・・
ところが、今年の4月から厚労省と日本年金機構は強制指導にあたるそうです。
国税庁は、従業員の所得税を給与天引きで国に納めている法人事業所を把握していますから、そのデータを調べれば厚生年金の加入逃れの疑惑のある会社なんてすぐにわかります。
イッパツでバレちゃいます・・・
約80万件の事業所は加入を逃れている可能性が高い事までわかっていますから、この報道を聞いて青くなっている経営者も多いかもしれません。
逆に言えば、取り締まり強化によって経営が悪化する会社も出てくるとも予想されます。
ココで重要なのは、厚生年金の加入逃れの取り締まりが厳しくなった事ではありません。「ここまでやらなくては、危険になってきた年金の現状」なのです!
なんとかして徴収しなくては、年金制度の将来が危なくなってきた証拠です・・・
ますます年金が危なくなってきました。
ちなみに私は自営業なので、国民年金なのですが、年金だけに頼っている方、危険かもしれませんよ・・・