前原冬樹さんは木彫りの彫刻家です。
その前原冬樹さんの作品は、木とは思えないほどの精密かつリアルさ。
そんな、超絶彫刻家、前原冬樹さんのプロフィール、経歴や作品、価格を調べました。
前原冬樹プロフィール
前原冬樹(まえはらふゆき)
1962年生まれ 東京都出身
日大芸術学部中退
1980年、ボクシング、フェザー級でプロデビュー
1990年、ボクシング引退
1998年、東京藝術大学美術学部絵画科入学
2012年、個展「一刻」を初開催
前原冬樹さんは、一度日大芸術学部を中退し、プロボクサーになったという変わり種です。
約10年間ボクサーとして、アルバイトをしながらの生活をしていました。
ボクサー引退後に、また芸術の道へ戻りますが、東京藝術大学入学には、7度目の挑戦で合格しています。
なんというストイックさ!
前原冬樹さんの作風にも現れていますね。
在学中に前原冬樹さんの作品がある画廊の目にとまり現在に至ります。
前原冬樹さんは、今では押しも押されぬ、超技巧派の売れっ子になりましたが、かなり質素な暮らしをしているそうです。
ただ努力家という表現は、前原冬樹さんには合わない気がします。
とにかく、ストイックなのです。
元ボクサーという経歴も影響していると思います。
前原冬樹さんは、自分のことを「ひきこもり」と言っていますが、それこそが、超絶技巧作品に必要な驚異的な集中力と技術につながっているのでは、と思います。
前原冬樹の作品
前原冬樹さんの作品は、木彫りだと言わずに見せればそれで通用してしまうほどのリアルさです。
これが、一枚の板からの木彫りで、なおかつ油絵具での彩色のみというとんでもないモノ。
この彩色の技術は、東京藝術大学美術学部の絵画科で培われたのでしょう。
前原冬樹さんの作品の題材となるモノも変わっています。
干からびた柿、トタン屋根、錆びた空き缶、有刺鉄線などなど・・・
消えていくモノ、朽ちていくモノ、そんな題材が多いですね。
前原冬樹さんの展示会を見た人から「作品にゴミが落ちている」と言われたコトもあるそうです(笑)
リアル過ぎるが故の、エピソードですね。
前原冬樹さんらしいのは、周りが騒ぐようになっても、いたって変わらぬペース。
とにかく好きなだけ自己満足しか追求していないんです。
“人にこう思われたい!”という気持ちは毛頭ありません。
でも自分は騙せないので、ごまかし無くやり続けるしかないんですよね。
多少傲慢なんですが、“好きに見て下さい”という風に丸投げしてしまう、勝手な作業です
周囲の評価は、まったく関係ないようなのです・・・
前原冬樹の作品販売、価格は?
こう前原冬樹さんの作品が評判になってくると、その作品を欲しがる人が出てきます。昔は、展示会にて販売もしていたそうですが、いかんせん前原冬樹さんの作品は、時間がかかります。
ひと作品に3,4か月はザラだそうです。
当然の事ですが、前原冬樹さんの作品の価格は当初より、だいぶ高くなったそうです。
まだまだ上がるはずです(笑)
欲しい人がたくさんいる。
作品の数は少ない。
価格上昇・・・は自然の需要と供給の原理です。
売るがために作っているのではなく、自己満足で作っているのに売れる・・・
私のようなビジネスマンには、羨ましい話です(笑)
参考までに、ギャラリー関係者の話を・・・
その作品は決して安くありません。
数百万円になることさえあります。
それでも、金持ちの茶人が床の間に飾る骨董だと思えば、決して高すぎるとは言えないでしょう。
美術館や企業は、日本人にしかできないこういう仕事をこそ買い上げて、一般に公開してくれたらいいと思います
ちなみに以前、日本橋三越「ざ・てわざⅡ―未踏への具象」にて販売されていた前原冬樹さんの作品「折鶴の木彫」の値段は231万円でした。
前原冬樹さんの個展も「一刻」という名で定期的にやっているようですので、ぜひ本物を見てほしいです。
写真では伝えきれない超技巧技が堪能できますよ。
私は、前原冬樹さんの作品の「手」で指にちゃんと指紋が描かれているのを見て、ぶっ飛びました・・・
※超技巧の鉛筆画家の記事もあります。
※この金魚アートも素晴らしいです!