WOWOWオリジナルドラマ「いりびと-異邦人-」のあらすじを紹介し、重要なネタバレや考察、ラスト最後の結末について書きます。
高畑充希主演の2021年作品です。
原作：原田マハ「異邦人（いりびと）」です。
「いりびと-異邦人-」全話あらすじ
第一話
有数のコレクションを誇る美術館の副館長の菜穂（高畑充希）は、老舗画廊３代目の夫・一輝（風間俊介）との子を身ごもり、東京の喧騒を避け京都に長逗留していた。
母・克子（森口瑤子）の計らいだったが、慣れない地での暮らしは、菜穂を異邦人のような心地にさせる。
そんなある日に立ち寄った美濃山（松尾貴史）の画廊で、一枚の無名画家の絵に心を打たれる菜穂。
それは、知られざる京都画壇の闇に彼女をいざなう出会いとなる。
第二話
心をとらわれ話すこともできない画家・樹（SUMIRE）からの菜穂への訴えは、師匠であり京都画壇の大家である照山（松重豊）との因縁を感じさせるものだった。
事情通の記者・木戸（マキタスポーツ）は、樹の生い立ちにまつわる危険な噂を語る。
一方、経営する画廊が突如倒産の危機にひんした一輝と父・智昭（菅原大吉）は、菜穂の美術館が所蔵するモネの「睡蓮」を穴埋めの売買に利用するため、克子に禁断の接近を試みる。
第三話
モネの「睡蓮」をめぐる親族の裏切りに沈む菜穂を奮い立たせたのは、新たなすみかを与えた亡き祖父の知己で書道家の鷹野せん（梶芽衣子）と、樹が描いた新たな絵だった。
覚悟のもと、その絵を意外な形でお披露目した菜穂は、樹を縛る照山の邪心と本格的に対峙することに。
一方、菜穂との隔絶に心を痛める一輝には、他ならぬ菜穂の父母から、美術館経営に絡む厳しい知らせが。
それは菜穂を再びの絶望に陥れかねないもので……。
第四話
蚊帳の外で決定された自身の美術館閉館と、照山による狂気的な樹への束縛。菜穂はすべての厳しい現実を振り払うように、身に宿る新たな命、そして樹とその絵を世に出すことへの想いを胸に、周囲の京都人の理解と助力を得て、誰もが驚嘆する大胆な一手に打って出る。
それは菜穂と亡き祖父、そして京都との縁にもつながる運命的な策だった。
夫、父親、経営者として、菜穂との復縁を焦る一輝に、菜穂は衝撃的な事実を告げる。
最終回
菜穂に出生の秘密を打ち明けられた上、一方的に絶縁された一輝。
菜穂を取り戻さんとした執着はいつしか狂った対抗心となり、一輝を無謀な策へと駆り立てる。
菜穂は京都で生きていくための準備を万事整えて、忌まわしい過去を乗り越え照山の束縛から決別しようとする樹を一途に待つ。
欲望と嫉妬にとらわれた照山、一輝、克子、それぞれの結末。
そして美への信念を貫く菜穂と樹の２人がたどり着いた、もう一つの真実とは──。
「いりびと-異邦人-」ネタバレ
WOWOWオリジナルドラマ「いりびと-異邦人-」の最大のネタバレはふたつありました。
ひとつは、菜穂（高畑充希）の実の父親は亡き祖父であったことです。
菜穂は祖父と京都の芸子さんとの間にできた子だったのです。
元々美術に造詣の深い祖父は、菜穂の美を見極める才能を見抜いていました。
逆に美術を愛していない息子では美術館は先行き短いとも予見していました。
そこで祖父が取った行動が、美術館にある有名作品のいくつかを菜穂名義に変えておくことでした。
それにより、菜穂の両親、夫の一輝（風間俊介）らの勝手な絵画の売却を防いだのです。
そしてふたつめは、菜穂と樹（SUMIRE）は異父姉妹だったのです。
樹はこれまで照山（松重豊）に縛られ、自らも自由を諦めていました。
が、菜穂の登場により、外の世界に出たいと強く望むようになったのは・・・姉妹だと感ずいていたからでしょう。
「いりびと-異邦人-」ラスト最後の結末
照山は病に倒れなくなります。
そして樹と菜穂は一緒に暮らすことに・・・
そして菜穂は出産しました。
照山の葬式で一輝はすべてのつながりを知ります。
呆然と京都の町を歩く一輝・・・
ふと菜穂がいるのを見つけます。
しかし声をかけられない一輝はそのまま元来た道を戻っていくのでした。
ラストシーンは、菜穂と樹、鷹野せん（梶芽衣子）、めいど、赤ん坊とで夏の風にあたって和むのでした。
完。
「いりびと-異邦人-」考察と感想
当初、菜穂は樹の才能を見出し、世に出したいと強く思うようになります。
その想いは夫の一輝との決別、家族との訣別にまで発展します。
この段階ではまだ異父姉妹であるということは知りませんが、きっと菜穂は樹の才能以外だけでなく、何かそうさせる不思議な繋がりを感じていたのかもしれません。
また菜穂の両親も何故か愛情を感じなかったのですが、その理由が後半で理解できました。
実の子ではなく、祖父の子を自分の子供として育てていた訳ですから。
その苦悩はわかりますが、私利私欲に走ったために転落しました。
そしてもうひとりダークサイトに落ちてしまった夫・一輝。
菜穂の母・克子（森口瑤子）との関係が事の発端のような気がします。
完全に菜穂を怒らせ、樹への想いを強固なものにさせてしまったのですから。
結果として祖父が予見し、思い描いていたような結末になったような気がします。
菜穂を愛していた祖父が菜穂を守ったわけです。
すべての黒幕は祖父ですね。
このドラマ「いりびと-異邦人-」は、WOWWOWの独占放送です。
WOWWOWでしか見れません。
ちなみにWOWWOWは録画ができます。
原作はこちらです。
