労働者派遣法改正案が衆議院で可決されました。
こないだの「18歳選挙権」に続く通過です。
この労働者派遣法改正のメリットとデメリット、内容と影響、今後について紹介します。
労働者派遣法改正案とは?
労働者派遣法改正案とは、わかりやすく簡単に言うと、
・個々の派遣社員は自動的に3年で解雇
というような内容になります。
今までは派遣社員は3年以上派遣を続けられませんでした。
3年以上の場合は、派遣契約を解消して、企業が直接雇用しなくちゃいけませんでした。
つまり派遣社員でも3年頑張れば、正規雇用の道があったワケです。
しかし、この改正案では、Aという派遣社員は3年までですが、新たにBという派遣社員を雇えばまた3年、その3年後にはCという・・・
ようするに人を変えていけば、直接雇用せずに、ずっと派遣社員でいけるのです。
正規雇用をしたくない企業に派遣されてしまった派遣社員さんは、おそらく3年で解雇されてしまうでしょう。
労働者派遣法改正のメリット、デメリット
この労働者派遣法改正案、なんかデメリットだけの改正案に思えますよね?
ところがこの労働者派遣法改正案は立場によってメリットもあるのです。
単純に経営者にはメリットが労働者にはデメリットしかありません。
あなたが経営者であるか労働者であるかで、この改正案の受け止め方が違うハズです。
企業は3年ごとに人さえ入れ替えれば派遣労働者を無期限に使い続けられる
派遣労働者は3年ごとに転職・・・
あなたはどう感じるでしょうか?
これまでは、恒常的派遣は違法でした。
それが一転して合法になってしまうから恐ろしいモノです。
ちなみに政府側の主張は、
派遣労働者の一層の雇用の安定、保護等を図るため、全ての労働者派遣事業を許可制とするとともに、派遣労働者の正社員化を含むキャリアアップ、雇用継続を推進し、派遣先の事業所等ごとの派遣期間制限を設ける等の措置を講ずるため
だとしています。
労働者派遣法改正の影響や今後
もうおわかりですね。
この労働者派遣法改正案は、完全に経営者側に有利な法案です。
悪く言えば「個人よりも企業を味方に付ける事がこれからも得策だ」という政府側の判断ですな。
今後、正規雇用の求人がますます厳しくなりそうです。
また、一時的には企業のコストも抑えられて経営にプラスになるでしょう。
しかし、こんな状態で愛社精神が生まれるのでしょうか?
もしかしたら「愛社精神」なんて死語だ。と言われてしまうかもしれませんね。
そもそもこんなんで、人が育つのでしょうか?
前回「18歳選挙権」で外堀を埋めていく話をしましたが、政府の目指すトコロは「経済至上主義」です。経営者にとっては最高です。
https://tsunebo.com/18election
これを達成するために今後もいろいろな法案が登場するでしょう。
こないだの「18歳選挙権」に続き、またよく議論してほしかった問題が、通過してしまいました・・・