松本孝夫さんは、この道55年以上のかけつぎ職人です。
松本孝夫さんのお店「江見屋」には、全国からたくさんの依頼がやってきます。
そんな、松本孝夫さんのプロフィール、お店と料金、年商について調べました。
松本孝夫プロフィール
松本孝夫
1942年生まれ 兵庫県神戸市出身
高校卒業後、名古屋にて修行
1962年「江見屋かけつぎ専門店」創業
2007年、名古屋市技能功労者表彰
2011年、愛知県優秀技能者表彰
現在は、会長職
松本孝夫さんは、神戸のかけつぎ店に生まれました。
学生の頃から漠然と将来はかけつぎ屋になると思っていたそうです。
18歳の頃から修行し、創業して現在に至るまでかけつぎ一筋です。
その間に蓄積された経験とデータは、松本孝夫さんの頭の中にはもちろん、若手の担い手の為にノートに記してあるそうです。
熟練職人と言うと、どうも特別な事を教えず「見て盗め」的なイメージがありますが、松本孝夫さんは違います。
松本孝夫さんの知識と経験の詰まったこのノートは、コピーされ、従業員たちに引き継がれているそうです。
ここで修行した若い人達は、今までたくさん全国に散って行っているそうですよ。
こんなオープンな社風も好感が持てます。
社員も随時募集していますから、我はと思う方は松本孝夫さんの秘伝の技を会得してみてはいかがでしょうか。
松本孝夫のかけつぎ店と料金
「かけつぎ」をちょっと調べてみました。
かけつぎは、洋服の生地に穴や傷が出来てしまった時に、修復することができる唯一の技術です。
このかけつぎ以外に洋服の生地を修復する技術はありません。
「かけつぎ」と「かけはぎ」は、同じ意味です。
あまり深く考えた事がありませんでしたが、かけつぎは唯一の技術なんですね。
でも、服に穴があいたらどうしますか?
諦めて捨ててしまう人が多いのではないでしょうか?
「破れちゃったから、新しいのを買う」パターンが多いと個人的には思うのです。
ですが、びっくりしました。
松本孝夫さんの、名古屋市東区にある「江見屋かけつぎ専門店」には、毎日50~60着もの依頼品が全国から届くというのです。
時期的な繁忙期もあるものの、年間約1万5,000着というからビックリです。
まだまだ日本人はモノを大切にする民族なんだなと感じます。
ちなみに最近では、松本孝夫さんの評判を聞きつけて海外からも依頼が来るそうです。
とは言え、依頼品すべてが同じで、毎日機械的に作業を繰り返していればいいわけではありません。
100着の服があれば、修理の仕方も100通りなのです。
だいたい糸が全部違うし・・・
昔と違って生地も星の数ほどあるし・・・
さて、気になる松本孝夫さんのかけつぎ料金ですが、最低加工料金が3500円
傷の大きさにもよりますが、目安として1cmあたり600円だそうです。
例えば穴を2cm四方の生地で塞ぐ作業は、合計2cm×4=8cmですので、
8cm×600円で4800円となります。
松本孝夫の江見屋かけつぎ専門店の年商は?
正直な所、これで松本孝夫さんやっていけるのかと思いましたが、年間約1万5,000着の依頼があるのですから・・・
単純に平均1件の料金が5000円としても・・・
年商7500万円ですね。
しかも材料費は大したことありません。
ほとんど人件費ですね。きっと。
現在はメディアでもたくさん取り上げられていますから、これからますます依頼量は増えるハズです。
納期は1週間ほどですが、今後混みそうですね。
■ 江見屋かけつぎ専門店
名古屋市東区出来町1-3-18
TEL 052-935-4624
ただ、松本孝夫さんの仕事に対するスタンスは「仕事」というよりも「腕試し」な感じがします。
「今度はどんなのが来た?よし、やってやるか!」みたいな・・・
今でも新しい生地が出ると、生地をばらして織り方を調べ、かけつぎ法を考えるという松本孝夫さんが実に楽しそうなのです。
きっと難しいヤツほど燃えるんだろうな。
会長職に退いてはいますが、現在でも社長と分担して厳しい検品もしているそうです。
松本孝夫さんは職人の鏡のような人です。
がんばれ!松本孝夫!!